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ポジティブリスト対策の実務作業(作物栽培)

※宮城県病害虫防除所ホームページより抜粋

    導入後に想定される問題(例)

    1. 水稲に散布した殺菌剤が隣接する野菜ほ場に飛散し、収穫された野菜から一律基準を超える農薬が検出された。

    2. 果樹園の薬剤散布(スピードスプレーヤーで防除)で隣接する多作物のほ場に飛散し、収穫物から一律基準を超える農薬が検出された。

    3. 多品目の野菜を栽培するほ場で、キャベツに散布した殺虫剤が隣のコマツナに飛散し、収穫したコマツナから一律基準を超える農薬が検出された。

    4. 水田で使用された殺虫剤が転作の飼料作物に飛散し、それを給餌された乳牛の乳から一律基準を超える農薬が検出された。

    5. 畑地の灌漑に水田用水を使用したため、収穫された野菜等から一律基準を超える水稲用薬剤が検出された。

    6. 過去に土壌残留性の高い農薬を使用し、その畑で栽培した野菜から一律基準を超える農薬が検出された。

    7. 衛生害虫用の薬剤(農薬と同一成分のものが多い)が収穫直前の野菜に飛散し一律基準を超える農薬成分が検出された。

    8. 天然資材(○○抽出物、××活性剤など)を使ったため、一律基準を超える農薬成分が検出された。(天然資材と称するものから農薬成分が検出される事例がある)


    これまでは農薬の飛散があっても、飛散先の農作物にその農薬の残留基準が設定されていなければ、検査対象とならず、特に問題はありませんでした。
    しかし、新制度では原則すべての農薬に対してすべての食用作物(加工品含む)に基準値が設定されるので、農薬飛散は収穫物やその加工品等の流通禁止につながる恐れが高くなります。

    農薬の飛散(ドリフト)を低減する具体的な対策

    農薬の飛散(ドリフト)に関しては、今まで以上に注意し具体的な対策をとる必要があります。

    1. 風向きと風速
      • 風が強いときの農薬散布は行わない(目安は3m/秒以下)。
      • 風下に他作物や河川等がある場合は、充分に注意を払う。
      • 日中の散布を避け、早朝や夕方に行う(これらの時間は風が弱い)。
      • 日差しが強い時間帯の上昇気流に注意する。

    2. 作物との距離
      • 散布位置が本作物から離れすぎないように、散布機械の高さや角度を調節する。
      • 作物のない空間に無駄な散布をしないように、不要な場合はノズルを止める。

    3. 散布圧力と散布ノズル
      • 飛散しやすい微細な噴霧粒子を発生させないためにも散布圧力を上げすぎないようにする。
      • 散布ノズルは、使用目的に合わせた適度な噴霧粒径のノズルを選択する。現時点で利用できる製品は限られているが、「ドリフト低減型ノズル」がある。

    4. 風量の調節
      • スピードスプレイヤーでの防除は、薬液の届く位置を確認しながら樹高に合わせて風量を調整する。出来るだけ過大な風量は避けて散布する。

    5. ほ場端での散布
      • 近隣に他作物や水系がある場合は、ほ場の端での散布に気をつける。
      • 特に、農薬が飛散しやすいスピードスプレイヤー等では端列の散布をスポット的に手散布する。または散布しないことも考慮する。

    6. 近隣作物生産者との連携・調整
      • 近隣作物の収穫時期を考慮して散布を計画する。
      • 近隣作物の生産者と十分に連絡を取る(収穫間際の作物に目印をつけるなどの対策を両者でとる、境界線に緩衝地帯を設ける、等)。
      • 果樹の混植や野菜の多品目栽培を行っている場合は、それぞれに登録を有する農薬を選択すると共に、収穫前日数にも注意する。

    7. 遮蔽シート・ネット等の設置
      • 境界線に遮蔽物(ビニールやポリのシート、ネット)を設置する(常設・簡易式)。
      • 近接作物をシートで覆う。

    8. 散布量・散布回数の低減
      • 散布量を減らす(防除効果に影響しない程度)
        ・効果の高い農薬を選択する。
        ・葉面が濡れたらそれ以上散布しない。
        ・作物体以外への散布で薬液をロスしない。
      • 散布回数を減らす
        ・効果の持続する農薬を選択する。
        ・防除適期に薬剤を散布する。

    9. 飛散(ドリフト)しにくい農薬を使用
      • 粉剤や液剤をドリフトしにくい剤型(粒剤・育苗箱施用剤等)に変更する。
      • 残留問題の生じない農薬(性フェロモン剤、生物農薬、ニームなどの天然物由来のもの等)を選択する。

    10. 有人ヘリ、無人ヘリを利用するときの対策
      • 定められた飛行高度、飛行速度、風速を遵守する。
      • 散布区域における多作物の作付け状況等を事前に把握し、緩衝用の散布除外地を設けるとともに、連絡体制を強化する。

    11. 飛散(ドリフト)の状況を確認
      • 水滴が付着すると変色する感水紙などを利用し、飛散や農薬付着状況を確認する。

    その他の対策

    登録農薬を正しく使うことは基本であり、当然のことですが、以下のような事項にも注意する必要があります。

    1. 収穫期間近の野菜では、水田用水を灌漑に使用しない。

    2. 散布機具の十分な洗浄を行い、洗浄水は適正に処分する。



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